ソロキャンプ用に焚き火台を買うとき、私はまず重さを見ていました。300g台のチタンがあると知れば、そりゃ軽いほうがいいに決まっていると思っていたわけです。
ところが実際に軽い焚き火台を持ち出してみると、困ったのは重さではなく別のところでした。芝生を焦がし、買ってきた薪が火床に収まらない。軽さで得をしたぶんを、他の道具で払い直していたんです。
ここでは本体1kg以下のモデルだけを集めて、公式のスペックを並べたうえで、私が実際に使って分かったことを足しておきます。
この記事でわかること
- 1kg以下の全体像: 122gから985gまで、10台の重量・収納サイズ・薪が入るかを一覧にしました
- 軽さの落とし穴: 火床が低いモデルで芝生を焦がした話と、薪が入らずに鋸が増えた話
- 選ぶ順番: 重さより先に見るべき2つの数字と、買う前の確認項目
この記事の結論(先に要点)
本体1kg以下から選ぶなら、重さの前に「火床の高さ」と「火床に入る薪の長さ」を見てください。この2つを外すと、焚き火シートを厚くしたり鋸を持ったりで、結局トータルの荷物が増えます。
徒歩やバイクで本気で軽くしたいなら300〜500gのパネル型。車で行くなら900g台でも十分軽く、市販の40cm薪がそのまま入るぶん現場が楽です。
結論:軽さより先に「火床の高さ」と「薪の長さ」を見る
最軽量の122gと、1kgぎりぎりの985gの差は863g。ペットボトル1本より軽い差です。この差のために火床の低いモデルを選ぶと、断熱ボードや厚手の焚き火シートが要ります。シートは薄いもので150g、厚手なら400gを超えるので、軽さで稼いだ差は地面の対策で消えます。
薪も同じです。日本で売られている市販薪は30cmと40cmが主流で、火床が短いと現地で割るか切るかになります。鋸は軽いもので200g前後。これも軽さの相殺です。
だから私は、1kg以下という枠の中では「重さの順位」をあまり気にしていません。見るのは高さと長さの2つです。
私は軽さで選んで芝生を焦がした
これはウルフアンドグリズリーのFire Safeです。蛇腹に畳めて厚さ2cm、重さ910g。ステンレスがとにかく分厚くて、これは歪まないなと思って買いました。

問題は高さでした。組み立てても高さが5cmしかない。火床と地面がほぼくっついている状態です。芝生のサイトで使ったら下の芝が焦げました。焚き火シートは敷いていたのですが、それでも熱が抜けきらなかったんです。
結局、断熱ボードを挟むかアルミテーブルの上に乗せるかしないと芝生のサイトでは使えない、という結論になりました。土や砂利、直火OKのサイトなら気持ちよく使えます。低い焚き火台は場所を選びます。
薪が入らないと、軽さは帳消しになる
もうひとつの落とし穴が薪の長さです。私が半年で30回ほど使ったUCOのフラットパック(私が持っているのは1,730gの大きいほうで、この記事の表に入れたのは832gのSサイズです)は、組み立てると25×33cm。

30cmの薪なら問題なく入ります。ただ、市販でよくある40cmの薪は横幅33cmからはみ出します。斜めに置くか、割って短くするかの二択です。私はこれで、面倒だなと思いながら何度も薪を折りました。
もうひとつ、半年ほど使ったところでロゴの周りが少し反りました。使用に支障が出るほどではありませんが、薄い板の焚き火台は熱で歪むという話は本当です。板が薄いモデルほど、交換パーツがあるかどうかを見ておいたほうがいい。
逆に言えば、40cmの薪がそのまま入るモデルなら現場の作業がひとつ減ります。ピコグリル398、マクライト2、TokyoCampあたりがこの枠です。
重量帯で、向いている使い方が変わる
1kg以下といっても中身は幅広いので、私は3つの帯で考えています。
300g以下のクラスは、焚き火というより小枝を燃やして湯を沸かす道具です。SOTOのテトラは122gでポケットに入りますが、燃やせるのは小枝と割り箸くらい。これはこれで楽しいので、私は「焚き火台」ではなく「遊び道具」として見ています。
薪を燃やすつもりなら300g以上。徒歩やバイクで運ぶなら、300〜600gのパネル型が現実的な落としどころです。ベルモントのTABIは本体298g、側板と網を付けても423gで、チタンなので薄くても粘ります。
型で選ぶ(パネル式・メッシュ式・箱型)
軽量モデルは、構造で3つに分かれます。ここを先に決めておくと候補が一気に絞れます。
| 型 | 収納 | 得意なこと | 弱いところ |
|---|---|---|---|
| パネル式 (ピコグリル・TABI・マクライト2) |
厚さ1〜3cmで平ら。ザックの背面に入る | 長い薪をそのまま載せられる。高さも出る | 板が薄いと熱で歪む。隙間から灰が落ちる |
| メッシュ式 (ファイアスタンド2など) |
筒状。平らにはならない | 空気がよく通って燃えやすい。設営が速い | 網が消耗品。細かい炭が落ちる |
| 箱型 (B-6君・テトラなど) |
小さい。文庫本サイズも | 風に強い。網を載せて焼くのが得意 | 薪を割る必要がある。火床が狭い |
薪を買って焚き火をするならパネル式、現地の小枝で遊ぶなら箱型、とりあえず失敗したくないならメッシュ式。私はそう振り分けています。
本体1kg以下の焚き火台10台を、重量順に並べた
重量はメーカーの公表値です。ケースやゴトクを含むかどうかで数字が変わるので、内訳が分かるものは括弧で足しました。二次燃焼のモデルは構造がまるごと別ジャンルなので、ここには入れていません(煙の出ない焚き火台のほうにまとめてあります)。
私が実際に使っているのはウルフアンドグリズリーとUCOの2台だけなので、それ以外はスペックの比較にとどめています。
| モデル | 本体重量 | 収納サイズ | 素材 | 薪30cm/40cm |
|---|---|---|---|---|
| SOTO ミニ焚き火台 テトラ ST-941 | 122g | 88×80×4mm | ステンレス | ×/×(小枝専用・火床88mm角) |
| ベルモント TABI | 298g(側板29g+網96gで423g) | 178×360×15mm | チタン+18-8ステンレス | ○/△(火床幅360mm・側板を外せば) |
| ピコグリル398 | 366g(スピット2本込みで442g) | 335×235×13mm | ステンレス | ○/○(組立385×260×245mm) |
| ユニフレーム ファイアスタンド2 | 490g | 径60×570mm(筒状) | 耐熱鋼メッシュ+ステンレス | ○/○(使用400×400×300mm) |
| テンマクデザイン 男前ファイアグリル | 493g(ケース込み) | 310×165×15mm | チタン | △/×(使用250×200×150mm) |
| 笑’s コンパクト焚き火グリル B-6君 | 500g | 181×122×18mm | ステンレス0.6mm | ×/×(使用215×122×165mm) |
| TOKYO CRAFTS マクライト2 | 500g(焼き台420g・ゴトク140g・ケース60g) | W210×D400×H25mm | ステンレス SUS304 | ○/○(使用W360×D400×H320mm) |
| UCO フラットパックグリル S | 832g | 270×180×30mm | ステンレス | ×/×(火床240×180mm) |
| ウルフアンドグリズリー Fire Safe ※私の所有品 |
910g | 292×105×20mm | ステンレス(厚め) | △/×(使用286×278×50mm・高さ5cm) |
| TokyoCamp 焚き火台 | 985g(ゴトク等を足すと1kg超) | A4サイズ・薄型 | ステンレス | ○/○(使用402×212×268mm) |
こうして並べると、40cmの薪がそのまま入るのはピコグリル398・ファイアスタンド2・マクライト2・TokyoCampの4台だけです。1kgぎりぎりのTokyoCampが一番「普通に焚き火ができる」のは、そういうことだと思います。
総合的なおすすめは重さの枠を外しておすすめの焚き火台10選にまとめてあるので、1kg以下にこだわらないならそちらもどうぞ。
買う前に確認する4つ
- 火床の高さ: 10cmを切るなら、芝生のサイトでは断熱ボードか厚手のシートが前提になります
- 火床の長辺: 30cm以上あれば市販の薪がだいたい入る。40cmを切らずに使いたいなら35cm以上
- 板厚と交換パーツ: 薄い板は歪みます。火床だけ買い替えられるモデルは長く使えます
- シート込みの総重量: 焚き火シートは150〜400g。風防を足すならさらに150〜300g。本体だけで比べない
この4つを見てから重さを比べると、候補はだいたい2〜3台に絞れます。あとは好みです。私はウルフアンドグリズリーの分厚いステンレスが好きで、芝生で焦がしたあとも結局手放していません。
よくある質問
Q. 1kg以下の焚き火台でも、焚き火シートは必要ですか?
A. 要ります。むしろ軽量モデルほど必要です。火床が低いモデルは熱が地面に届きやすく、私はシートを敷いた状態でも芝生を焦がしました。芝生のサイトでは、シートの下に断熱ボードを1枚挟むか、アルミテーブルの上に置くのが確実です。
Q. チタンとステンレスでは、どちらが軽くて歪みませんか?
A. 同じ厚みならチタンのほうが軽く、熱でも歪みにくいです。ただし軽量モデルのチタンは0.3mmほどまで薄くしてあるので、薄さのぶんで歪む余地は残ります。ステンレスは重いかわりに厚くできるので、扱いが雑でも壊れにくい。値段はチタンのほうが高くなります。
Q. 40cmの薪がそのまま入るのはどれですか?
A. この10台ではピコグリル398、ユニフレーム ファイアスタンド2、TOKYO CRAFTS マクライト2、TokyoCamp焚き火台の4台です。UCOやB-6君のような箱型は割るか折るかが前提になります。私はUCOで40cmの薪を何度も折りました。あれが面倒なら、最初から長い薪が入るモデルを選んだほうがいいです。
軽さは正義です。ただ、それは持ち運ぶ数十分の話で、焚き火をしている数時間は火床の広さと高さのほうが効いてきます。私はそれを、芝生を1回焦がして覚えました。
