薪が太すぎて火が育たない、逆に細すぎて一瞬で燃え尽きる。焚き火が思い通りにならない原因は、たいてい薪のサイズです。私はナイフとナタで薪を割ろうとして両方あきらめ、2019年にハスクバーナの手斧38cmを買いました。
あれから週3で焚き火をしながら使い続けています。刃こぼれもなく、いまも現役です。買ったときのレビューに、その後わかったことと、2026年9月時点の価格・型番・在庫を足して書き直しました。
この記事でわかること
- 選んだ理由: ヘッド0.6kg・全長37.5cmという数字と、最後の決め手になった見た目の話
- 実際の割れ方: 一撃では割れません。3回叩いて手で裂くまでの写真
- 手斧とキャンプ用斧の違い: 型番も価格も別物。焚き火の薪割りなら手斧です
この記事の結論(先に要点)
焚き火用に1本目の斧を買うなら、ハスクバーナの手斧38cm(型番576926401)で外しません。ヘッド0.6kgで大割の薪が3回で割れて、箱出しのまま研がずに使えました。
よく間違えられる「キャンプ用斧38cm」は別の商品(型番576926301)です。長さは同じでもヘッドが軽く、価格は3,000円ほど高い。薪を割るのが目的なら手斧のほうです。
※価格・在庫は2026年9月2日にAmazonで確認した時点のものです。スペックはハスクバーナ公式の製品ページの表記。割った感触と写真は私が自分でやったものです。

焚き火の写真ばかり上げている、あいすべです。ここから本題に入ります。
ハスクバーナ手斧38cmを選んだ理由
最後の決め手はカッコよさです。重さもサイズも口コミも比べましたが、選ばせたのは見た目でした。
正直に書きます。刷り込みですかね、これを斧として最初に見たからハスクバーナのカッコ良さに心を奪われています。ただし条件を満たさない斧なら、いくらカッコよくても買っていません。買う前に決めていた条件が3つありました。
- 軽いこと: 車から焚き火場所まで持ち運ぶので、片手で扱える範囲に収める
- よく割れること: 買ってくる大割の薪(15〜20cm)を中割・焚き付けにできる
- 「ザ・斧」であること: 銀色の刃、黒い鉄、木の柄。要するにカッコいいこと
3つ目が私の中では大きくて、これらを全部クリアして、なおかつ手が届く価格なのは、当時はハルタホースとハスクバーナしかありませんでした。
| 項目 | ハスクバーナ 手斧38cm(576926401) |
|---|---|
| 全長 | 37.5cm |
| ヘッドの重量 | 0.6kg |
| 本体乾燥質量 | 0.98kg |
| 刃/柄 | スウェーデン鋼/ヒッコリー材 |
| 刃カバー | 専用の革ケース付き |
| 価格 | メーカー希望小売 8,976円/Amazon実売 6,109円(2026年9月2日) |
| Amazonの評価 | 4.5(3,888件) |
重さ:0.98kgは片手だと少し重い
持った第一印象は「思ったより重い」でした。38cmは片手斧の分類ですが、ずっしり来ます。
ヘッドが0.6kgで、柄まで入れた本体が0.98kg。数字だけ見れば1kgを切っているので軽いほうです。それでも斧に慣れていなかった当時の私は、片手で振り回すのは若干不安が残ると感じました。いまは慣れて片手でも振りますが、最初のうちは両手で構えたほうが確実です。
ガチの薪割り職人ではないので、大きい斧は必要ありませんでした。買ってくる薪は大割が多いので、それを割れれば十分です。持ち運べる重さであることのほうが、私には価値がありました。キャンプ場や川原で火が思い通りに大きくならなかったときに、その場で焚き付けを作れる。これが手斧の仕事です。
割れ味:洋斧は「切る」ではなく「裂く」形
洋斧の刃はえらが張っていて厚みがあります。切れ味ではなく、薪を裂くための形です。
斧には和斧と洋斧があります。基本的には日本製が好きなのですが、ここでは洋斧を選びました。和斧は刃がよく研がれていて、切れ味は洋斧より上だと思います。もちろん和斧でも割れます。
ただ、厚みが圧倒的に洋斧のほうにあります。薪を2つに斬るのではなく裂く。刃を研ぐことが大前提の和斧よりも、武骨で多少切れ味が悪くても引き裂く洋斧を選びました。もちろん洋斧も研いだほうがよく割れるでしょうけど。
刃はスウェーデン鋼です。硬度は300〜600くらいだと思いますが、どのスウェーデン鋼なのかで変わるので、ここは確かめていないのでわかりません。
見た目:斧のイメージそのものの形をしている
銀色の刃、それを支える黒い鉄、年輪が模様になった木の柄。斧と言われて思い浮かべる形そのものです。
柄は適度にカーブしていて、刃をまっすぐ入れる工夫と持ちやすさを両立させています。これぞ斧です。焚き火は道具を眺めている時間も含めて楽しいので、見た目は真面目に選ぶ価値のある条件だと思っています。
ハルタホースとグレンスフォシュを外した理由
買った2019年当時、ハルタホースは重く、グレンスフォシュは高い。この2点で外しました。
3本ともスウェーデン鋼のヘッドにヒッコリーの柄、専用カバー付きで、仕様の骨格はほとんど同じでした。違ったのはヘッドの重さと価格と、当時のAmazonの口コミ件数です。ハスクバーナは382件、ハルタホースは33件、グレンスフォシュは13件。初心者だったので、件数の多い無難なほうを選びました。
※この3つの件数は2019年に私が見比べたときの数字です。いま同じ比較をすれば結果は変わります。参考までに、ハスクバーナ手斧38cmは2026年9月時点で3,888件・評価4.5まで増えていました。
グレンスフォシュもカッコいいので、次はこの辺も視野に入れたいです。刻印がいいんですよね。
ナイフとナタでは薪が割れなかった
ナイフのバトニングは全然だめでした。ナタは割れますが、高確率で薪に挟まって抜けなくなります。

実はハスクバーナを買う前に、ナイフを買っています。バトニングで薪が割れると思って買ったのですが、大割には歯が立ちませんでした。次に友人のナタを借りて薪割りをしました。ナタはナイフに比べれば結構できますが、大割15〜20cm(玉切りの4分の1くらい)を割ろうとすると結構大変です。
そして高確率で、薪にナタを食べられて離してくれません。この救出作業が疲れます。握力がなくなる。斧は刃自体に厚みがあるので、切るのではなく裂くイメージで薪が割れます。薪は切るのではなく、割るのです。
そもそも、なぜ現場で薪を割る必要があるのか。焚き火をコントロールするには、薪のサイズを4段階で持っておく必要があるからです。
速く終わらせたいだけなら小割と焚き付けだけでいいのですが、それだと長く楽しめません。大割・中割・小割をバランスよく並べて火を育てる。そこが焚き火の面白さで、火を操っている感じはココロオドリます。
しかも現場では状況がよく変わります。雨が降ったり、風が強くなったり、ずっと火を眺めていたくなったり、友達が思いのほか気に入って薪を入れたいと言い出したり。それに対応しやすいのが斧です。1本あるだけで安心感が違います。クマが出たときとかね。
なお、この手斧は玉切り(丸太を輪切りにしたもの)を割るための斧ではありません。玉切りから始めるなら、大きな斧かクサビが要ります。買ってきた大割を中割や焚き付けにするのが38cmの守備範囲です。
実際に割ってみた:3回叩けば手で裂ける
一撃では割れません。軽く1回、5割の力で1回、7割で1回。ここまでで半分以上めり込み、あとは手で裂けました。

注文した次の日には届いていました。さすがAmazon、プライム会員でなくても早い。ここからは届いた現物の写真です。
質感は粗削り。それが逆にいい
柄はざらっとしていて、ヘッドもごつごつしています。仕上げは丁寧ではありませんが、そこが雰囲気です。

伝わりますかね。若干ざらっとしています。手にはしっくり来ますが、振り回すとなると両手でやるか、パラコードでグリップを作りたい気持ちになりました。

斧自体も粗削りなごつごつとした感じです。どうせ薪を割っていたら傷もつくので構いません。むしろレビューでもよく言われているように、かっこいい感じに仕上がっています。ハンドメイドなので個体差があるとメーカーも書いています。

柄の部分です。斧の刃からまっすぐ力が抜けるようになっています。これなら特別に力を入れなくても薪はパカっと割れそうだ、と買った日には思っていました。
刃は箱出しのまま使えた(研いでいません)
バリもなく、研がずにそのまま薪を割れました。いまも大きな刃こぼれはありません。

思ったよりも全然きれいに仕上がっていて、バリも見当たりません。メーカーは砥石での定期的なメンテナンスを推奨していますが、薪を割るだけなら箱出しで問題ありませんでした。研ぎについては後で書きます。
割れ方:筋が入って、めり込んで、パカッ
薄着だったので最初は軽く叩きました。それでも筋が入り、力を足すと一気にめり込みます。

1回目。ビビって軽く叩きつけただけですが、それでも筋が付きました。

2回目、5割くらいの力で。もう斧が結構めり込みます。

3回目、コツをつかんで7割くらいの力でいったら半分以上めり込んだので、あとは手で割れました。今までのナイフのバトニングは何だったんだというくらい、簡単にパカっといきました。
すげー気持ちいい。薪割りってこんなに楽しいの?ストレス解消にもなるなコレ。もっと割りたい衝動にかられましたが、夜間だったので近所迷惑になりそうでやめました。
このときはコンクリートの上でやっていて、空振りが怖くて全力では振れませんでした。全力でいったら真っ二つになりそうな感触はあります。ここで薪割り台が欲しくなります。台があると振り抜けるからです。
太めの枝も割れる
少しくらい太い枝なら簡単に割れます。焚き付けを現場で作るには十分です。
拾ってきた枝は湿っていることが多いので、割って中の乾いた面を出してから使います。これができるようになると、着火の失敗がかなり減ります。
革カバーが緩いのは仕様に近い
付属の革カバーは留め具があるのに緩く、手でずらせば外れます。これは私の個体だけではないようです。
革なので、使っているうちに馴染んで多少はマシになります。ただ、いまも「カチッと止まる」という感じではありません。持ち運びのときはカバーだけに頼らず、道具箱に入れています。カバーが外れた斧をそのままバッグに放り込むのはやめたほうがいいです。
手斧38cmとキャンプ用斧38cm、どっちを買うか
薪を割るのが目的なら手斧です。同じ38cmでも型番が違い、ヘッドが重いのは手斧のほうです。
ここが一番間違えられるところです。ハスクバーナには38cmの斧が2種類あります。「手斧」と「キャンプ用斧」で、型番も価格も別物です。
| 項目 | 手斧 38cm | キャンプ用斧 38cm |
|---|---|---|
| 型番 | 576926401 | 576926301 |
| ヘッドの重量 | 0.6kg | 0.5kg |
| Amazon実売 | 6,109円 | 9,196円 |
| 在庫(2026年9月2日) | 在庫あり | 残り1点 |
| 向いている使い方 | 大割の薪を割る | 枝払い・細かい作業 |
薪割りに関して言えば、ヘッドが重くて厚みがあるほうが薪はパカっといきます。100gの差ですが、振り下ろしたときの食い込みが変わります。焚き火メインの薪割りなら手斧のほうです。しかも安い。
キャンプ用斧のほうが3,000円ほど高くて、在庫も薄くなっています。念のため書いておくと、手斧を買いたいのに検索結果でキャンプ用斧を掴むと、高いほうを買ったうえに薪が割りにくい、という一番もったいない結果になります。型番で確かめてください。
斧と一緒に必要になったもの
薪割り台とパラコードです。台がないと力が逃げて割れず、パラコードは柄を守るために巻きます。
やっぱり薪割り台は必要です。台がないと力が分散されてうまく割れないことがありますし、なにより空振りが怖くて全力で振れません。私はコンクリートの上でやって、それを痛感しました。
選び方で一番大事なのは高さです。台に薪を置いて斧を構えたとき、斧の柄が少し下に傾いているくらいの高さがちょうどいい。式にするとこうなります。
台の木は欅(ケヤキ)がいいようです。めっちゃ硬い。とはいえ私はヒノキの角材を台にしていたりするので、なんでも大丈夫ではあります。台まで斧を振り下ろすことはないですし、空振りもほとんどしません。素人でしたけど。

もうひとつがパラコードです。斧のネック部分に巻いて、柄を守ります。空振りしたときに柄を強打して折るのを防ぐためで、ここが折れると買い替えになります。それなら最初から守っておこうという話です。
パラコードはパラシュートにも使われる丈夫な紐です。中に入っている芯の数で9芯・7芯・5芯と変わりますが、パラシュートに使うわけではないので9芯で十分。9芯4mmで250kgの耐荷重があります。色は221パターンあるので、同じ斧でも個性が出せます。巻き方は別記事にまとめました。

やってはいけないこと・手入れ・持ち運び
反対側を槌として使わないこと。手入れはやすり・研ぎ石・オイルの3段階。持ち運びは銃刀法に注意です。
まず、クサビを打つように反対側を槌として使うのは危険です。反対側は平らなのでペグを軽く打つくらいなら問題ないかもしれませんが、クサビを打ち込むような作業は重心のずれを起こすのでやめたほうがいいです。そもそも長さも足りません。クサビを打つならクサビ打込用の斧(82cm)が別にあるので、そっちを買ってください。
手入れはやすり → 研ぎ石 → オイルの順です。刃が欠けていないなら研ぎ石からで問題ありません。最初は研ぎ石を買うつもりでいたのですが、100円ショップでいいものを見つけたので、結果的に100均のアイテムで問題なく研げています。手順は上のリンクの記事に詳しく書きました。
そして持ち運びです。銃砲刀剣類所持等取締法第22条は、刃体の長さが6cmを超える刃物について「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない」と定めています。違反すると2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
- 服装と装備: キャンプに行く目的だとわかる格好・積み方で運ぶ
- 移動中: 刃にカバーをして道具箱に入れ、トランクへ。座席に置かない
- 帰宅後: 必ず車から降ろす。積みっぱなしが一番危ない
よくあるのが、キャンプから帰って降ろすのを忘れ、後日の職務質問で問題になるケースです。「いまキャンプに行く途中/帰り」と示せない状態で積んでいると、正当な理由の説明が苦しくなります。護身用に持つのはもちろんダメです。
よくある質問
Q. 買ってすぐ研がないと使えませんか?
A. 私は研がずに箱出しのまま割れました。バリもなく、薪割りには十分な仕上がりです。メーカーは砥石での定期的なメンテナンスを推奨しているので、長く使うなら手入れは覚えたほうがいいですが、初日から必要ではありません。
Q. 手斧38cmとキャンプ用斧38cm、焚き火用ならどっちですか?
A. 手斧(型番576926401)です。ヘッドが0.6kgとキャンプ用斧より100g重く、薪への食い込みが違います。価格も2026年9月時点で3,000円ほど安いです。枝払い中心ならキャンプ用斧でもいいと思います。
Q. 革カバーが緩いのですが不良品ですか?
A. 私の個体も緩く、手でずらせば外れます。使い込んでも劇的には締まりません。革が馴染むと多少マシになる程度なので、持ち運びはカバー任せにせず道具箱に入れてください。
まとめ:焚き火の1本目としては、これで外さない
ヘッド0.6kgで大割が3回で割れて、箱出しで使えて、いまも現役です。1本目の斧として文句がありません。
斧があると、一気に薪割りが心強くなります。薪をパカっと割りまくって、細かい焚き付け用の薪を準備できる。焚き火のコントロールが一段レベルアップすること間違いなしです。
長さも38cmならちょうどいいです。持ち運びに問題ないサイズですし、この長さで大割もいけます。50cm級は持ち運びが難しいでしょうし、薪割り台も必須になる長さです。
夜間の焚き火は意外と怖いものです。草むらがガサガサって音がすると何?ってなります。ソロキャンプってカッコいいけど心細いですからね。心の拠り所に斧。ちなみにクマは火を恐れないらしいので、そこは注意してください。
玉切りの丸太から自分で薪を作りたいなら、この斧では足りません。長めの斧かクサビが要ります。ただ、買ってきた薪を焚き火用に整えるだけなら、手斧38cmでずっと足りています。
