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焚き火マシュマロの焼き方は「熾火の遠火」が正解|黒焦げにしないコツとスモアの作り方

焚き火にマシュマロを近づけたら、10秒で真っ黒になった。焼きマシュマロの失敗はだいたいこれです。私も最初の数個は炭にしました。

原因は腕ではなく、火のどこに当てているかです。マシュマロは砂糖のかたまりなので、炎に入れた時点で焦げるほうが先に進みます。逆に言えば、当てる場所さえ変えれば道具を買い足さなくても外はカリッ、中はとろりになります。

この記事でわかること

  • 焼く場所: 炎ではなく熾火(おきび)の遠火で焼く理由と、火からどれくらい離すか
  • 道具: 竹串・ステンレス串・伸縮ロースターの違いと、串の長さの下限
  • 失敗の直し方: 黒焦げ・落下・中が冷たい、の3つを症状から原因に戻して直します

この記事の結論(先に要点)

炎の中に入れないこと。薪が崩れて赤い熾火になってから、そこから15〜20cm離して回しながら1〜2分。これだけで焼きマシュマロはほぼ成功します。

串は45cm以上。30cmを切ると手が熱くて、焼けるより先にこちらが逃げます。爪楊枝は論外です。

※焼き時間は私の焚き火での目安です。熾火の量と気温で変わるので、時計ではなく色を見てください。

目次

マシュマロは炎ではなく「熾火の遠火」で焼く

マシュマロは炎の中に入れず、赤くなった熾火から15〜20cm離し、串を回しながら1〜2分かけて焼きます。これが唯一のコツです。

焚き火をしていると、どうしても一番火が立っているところに近づけたくなります。気持ちはわかりますが、そこは最悪の場所です。マシュマロは中が温まるのに時間がかかる一方、表面は一瞬で焦げます。この時間差を埋めてくれるのが、炎が落ちたあとの熾火です。

だから焼きマシュマロは、焚き火の「最後」の楽しみになります。着火してすぐの、薪がバチバチいっている時間帯には向きません。薪が崩れて赤い塊になるまで待つ。この待ち時間の作り方は薪の組み方の記事でまとめています。

なぜ炎に入れると黒焦げになるのか

砂糖が焦げ始めるのは約160℃で、炎の温度はそれをはるかに超えるからです。中が溶ける前に表面だけが炭になります。

マシュマロの中身は、砂糖と水あめをゼラチンで泡立てて固めたものです。ゼラチンで固めたものは30℃前後、つまり体温くらいで緩みはじめます。一方で砂糖が色づく(カラメル化する)のは約160℃から。「中がとろける温度」と「表面が色づく温度」は100℃以上も離れているということです。

この差を熱の強さで詰めようとすると必ず失敗します。詰めるのは強さではなく時間です。弱い熱を長く当てると、中が緩んでから表面が色づく順番になります。

焼けるようになるまで、どれくらい待つのか

薪をくべてから炎が落ちて熾火になるまで、だいたい1時間前後かかります。マシュマロは焚き火の終盤の楽しみです。

ここを知らないまま「マシュマロ持ってきたよ」と着火直後に始めるから黒焦げになります。焼きマシュマロは、火をつけてすぐの食べものではありません。薪の量や種類で変わるので時計で測る必要はなくて、炎が立たなくなり、薪が崩れて赤い塊になっていれば準備完了です。

同じマシュマロでも、当てる場所で結果が変わる× 炎の直上熱が強すぎる(160℃を大きく超える)表面:10〜20秒で黒く燃える中身:まだ冷たいまま結果:外は炭、中は生○ 熾火から15〜20cm熱がゆるやか(じわじわ入る)中身:先に30℃前後で緩む表面:あとから色づく(1〜2分)結果:外はカリ、中はとろり

用意するのはマシュマロ・串・革手袋の3つだけ

要るのはマシュマロと45cm以上の串、それに革手袋の3つです。焚き火さえしていれば、専用の道具は買い足さなくてかまいません。

ただし串だけは妥協しないほうがいいです。短い串は「熱くて近づけない → 遠くから雑に当てる → 焦げる」の悪循環に入ります。手が熱くならない距離を保てるかどうかが、そのまま焼き上がりに出ます。

串の種類長さの目安向き不向き
竹串(焼き鳥用)15〜30cm一番手軽。ただし1本刺しだとマシュマロが回ってしまい、火に近いと串自体が燃える
ステンレスの二股串40〜60cm二股なので空回りしない。焼きムラが出にくく、洗って何度も使える
伸縮式のロースター30〜80cm縮めれば収納が短い。焚き火の大きさに合わせて距離を変えられるので子ども向きでもある
爪楊枝・その辺の枝やめたほうがいい。指が熱くて焼き切れず、拾った枝は種類によって煙が有害なものもある

私が使っているのは伸縮するタイプです。焚き火台のそばで縮めて、直火の大きな焚き火では伸ばす。この1本で両方いけるのが理由です。キャプテンスタッグのものは32cmから81.5cmまで伸びるので、大人と子どもで持ち替える必要もありません。

マシュマロは正直どれでも焼けます。スーパーで売っている普通の白いマシュマロで十分です。私はエイワの110gの袋を箱で買って車に積んでいます。銘柄ごとの焼き上がりの差までは比べていないので、そこは「わからない」と書いておきます。ただしサイズによる差ははっきりあって、小さいものほど早く中まで火が通ります。

盛り上がるのはジャンボサイズのほうです。ただしこれは完全に上級者向けで、普通のサイズと同じ距離で焼くと中心が冷たいまま外だけ焦げます。長い串で、さらに遠くから、倍の時間をかける前提の食べものだと思ってください。

革手袋は焼くためというより、熾火を寄せたり串を持ち替えたりするためのものです。焚き火をする人はたいてい持っているはずですが、まだならワークマンの革手袋で足ります。

焼き方は4ステップ。時計ではなく色で判断する

熾火を作る、串に刺す、遠火で回す、きつね色で引き上げる。この4手順だけで外はカリッ、中はとろりになります。

  • 1.熾火をつくる: 薪が崩れて炎が落ち、赤い塊が残った状態まで待ちます。火をつけてから1時間前後が目安です
  • 2.串に刺す: 串は真ん中まで通します。先端に浅く刺すと、溶けた瞬間に落ちます
  • 3.遠火で回す: 熾火から15〜20cm、焚き火台の中央の上にかざし、途中で止めずにゆっくり回し続けます
  • 4.引き上げる: 全体がきつね色になったら火から外し、10秒ほど置いてから食べます(中は想像より熱い)

回し続けるのが面倒で、つい一方向だけ当てて待ちたくなります。そこで焦げます。手を止めた面から黒くなると覚えておくと、自然に回すようになります。

焼き上がりの見分け方

全体が均一なきつね色になり、表面につやが出て少し垂れ下がってきたら、中まで溶けた合図です。

写真では伝わりにくいので、変化の順番で書きます。まず表面につやが出て、次に薄い茶色の斑点が浮き、最後に全体が均一なきつね色になります。ここで表面に小さな泡がプクプクと立ち始めたら、中が緩んだ合図。串を軽く揺すったときに、自重でタプンと垂れ下がる寸前が食べごろです。

色が濃い茶色になる手前で止めるのがちょうどいいです。ここから先は数秒で黒くなります。逆に、白いまま表面だけ乾いている状態は焼き足りません。串を軽く揺すってもびくともしないなら、まだ中は冷たいままです。

うまくいかない3パターンと、その場での直し方

失敗はほぼ黒焦げ・落下・中が冷たいの3つで、原因はすべて火との距離と時間の取り方にあります。

裏を返すと、道具や銘柄を変えても直りません。焦げるのは近すぎるから、落ちるのは刺し方が浅いから。その場で直せるものばかりです。

症状原因その場での直し方
数秒で黒くなる・火がつく炎に入れている/熾火に近すぎる串を10cm上げる。燃えたら振り消さず、火から離して自然に消す
焼いている途中で落ちる刺し方が浅い/溶けすぎ串を中心まで貫通させる。垂れてきたら火から外して落ち着かせる
外は焼けたのに中が冷たい熱が強すぎて時間が短い/サイズが大きいさらに遠ざけて時間を倍に。ジャンボは特にゆっくり

ちなみに黒焦げも、皮だけむいて食べれば中は無事なことが多いです。子どもがいるときは「失敗しても中は食べられる」と先に言っておくと、泣かれずに済みます。

焚き火台に落としたときの後始末

落ちたマシュマロは拾わず、熾火の上へ寄せて焼き切ってしまうのが一番きれいに片づきます。無理に拾うほうが厄介です。

溶けた砂糖は火床にべったり張りつき、翌日には黒くて固い塊になってこびりつきます。トングでこそげ落とすより、その場で炭になるまで燃やしてしまったほうが早いです。だから焼くときは、焚き火台のフチではなく中央の上でやってください。フチに落とすと熱が足りず、焼き切れずに残ります。

スモアの作り方は「焼きたてを挟むだけ」

クラッカー2枚で板チョコ1かけと焼きたてのマシュマロを挟むだけです。余熱でチョコが溶けたら完成します。

順番だけ守ってください。クラッカーの上にチョコを先に置き、そこへ熱いマシュマロを乗せる。この順番だと、マシュマロの熱がチョコに伝わってちょうど溶けます。先にマシュマロを乗せてからチョコを重ねると、冷めて溶けません。

上のクラッカーを乗せたら、串を抜きながら軽く押さえます。串を先に抜こうとするとマシュマロごと持っていかれるので、挟んでから抜くのが正解です。

グラハムクラッカーがないときの代用

手に入らなければ、リッツや全粒粉のビスケットで十分に代わりが務まります。塩気のあるクラッカーのほうが甘さが締まります。

本場のスモアはグラハムクラッカーですが、日本のスーパーでは置いていないことのほうが多いです。私はコンビニで買えるビスケットで済ませています。薄くて割れやすいものより、少し厚みのある固いビスケットのほうが挟んだときに崩れません。

それでも一度は本物で食べてみたい、という人はネットで買うのが早いです。全粒粉の香ばしさと軽い塩気があるぶん、代用品より確かに輪郭がはっきりします。

チョコは板チョコを割ったもので十分です。溶けやすさで言えばミルクチョコが有利で、カカオ分の高いものは熱が足りずに溶け残ることがあります。

子どもと焼くときに決めておくこと

子どもには45cm以上の串を持たせ、爪楊枝や短い竹串は使わせないこと。火傷の大半はこれで防げます。

短い串だと、手を火に近づけないと届きません。熱いので体をひねる、串がぶれる、マシュマロが落ちる、拾おうとして手を伸ばす——この流れが一番危ないです。長い串は「安全のため」というより、無理な姿勢をさせないための道具だと思っています。

  • 立ち位置: 風上に立たせます。煙が目に入ると、串を持ったまま顔をこすります
  • 待たせ方: 熾火になる前に「まだ?」が始まるので、焚き火を始める前に「炎が落ちてから」と伝えておきます
  • 食べる前: 中は表面よりずっと熱いです。火から外して10秒は待たせます

服が汚れる話もよく見ますが、私の周りでは垂れるより先に食べてしまうので、実害を見たことはありません。ここは自信を持って断言できないので、気になる方はエプロン代わりのタオルを1枚どうぞ。

焚き火そのものの注意点は焚き火のマナー消火と後始末にまとめてあります。マシュマロを焼いた串をそのまま焚き火に放り込むのはやめてください。ステンレス串は燃え残ります。

よくある質問

Q. 炭火のバーベキューコンロでも同じですか?

A. むしろ得意です。炭火は炎が上がらず熾火に近い状態なので、焼きマシュマロには向いています。網の上に直接置くと溶けて落ちるので、串は必ず使ってください。

Q. マシュマロはどれを選べばいいですか?

A. 普通の白いマシュマロで問題ありません。中にチョコが入っているタイプは、溶けたときに中身が流れ出て串から落ちやすいです。焼くのが初めてなら、小さめのサイズのほうが早く火が通って失敗しません。

Q. 真っ黒に焦がしてしまったら、もう食べられませんか?

A. 焦げた皮を指でむけば、中の白い部分は食べられます。とろけた中身だけを引き抜くようにして食べる人もいます。もったいないので捨てる前に一度むいてみてください。ただし全体が炭になっているものは諦めましょう。

焚き火の終わりに、ちょうどいい

焼きマシュマロは、炎が落ちて熾火になった時間帯にしかできない食べものです。だから焚き火の締めにちょうど収まります。

やることは、15〜20cm離して回すだけ。それ以外に技術は要りません。もし黒焦げにしても笑い話になりますし、次の1個で取り返せます。焼き芋のように仕込みも待ち時間も必要ないので、思い立った日にできるのもいいところです。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

あいすべ
【臨床検査技師・焚き火特化ブログ運営者】

2019年から焚き火専門メディア「焚き火を愛しています」を運営。友人に誘われたキャンプで焚き火に出会い、以来週3回は火を焚く生活を続けている。臨床検査技師という本業の視点から、焚き火に没入してしまう理由を脳科学・心理学の面で調べたのが出発点。庭や河原で焚き火をしてよいのかという疑問から、消防署と法律家に直接問い合わせて確認するなど、自分で確かめたことだけを書くのが方針。焚き火台・薪・革手袋・焚き火シートなどはすべて自費で購入して使い込んだうえでレビューしており、掲載している写真は自分で撮影したもの。

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